入国できないことも!?海外渡航時に予防接種が必要なケースとは

海外旅行の行く先によっては、ある特定の病気の予防接種が必要となる、または推奨されるケースがあるということをご存知でしょうか?

場合によっては、予防接種を打ってその接種証明書を提示しなければ入国できない国もあります。そこで今回は、海外旅行時の予防接種について詳しく解説していきましょう。

まず、入国時に予防接種証明書が必要になる可能性があるのは《黄熱》と呼ばれる病気です。中央アフリカや中南米などの熱帯地域の一部の国々が該当します。

黄熱はデング熱やマラリアと同様に蚊が媒介するウィルス性の感染症で、流行時や免疫のない海外旅行者が感染した場合には、致死率60%にも及ぶと言われる非常に危険な病気です。

目的地の国自体では予防接種証明書が必要なくても、行き帰りに経由する乗り継ぎの国で提示を求められるケースもあるので、事前によく確認しておきましょう。

なお、黄熱の予防接種証明書は1度接種すれば、その10日後から一生涯有効になるので、また該当の国に渡航する機会があれば活用することができます。

予防接種が義務ではないものの、渡航する国・地域で感染リスクが高い病気を避けるために推奨される場合もあります。特に滞在期間が1か月以上の長期にわたる場合には、できれば接種しておいた方が良いものが多くなります。

例えば、《A型肝炎》は食べ物から感染する病気で、重症化すると1か月以上入院しなければならないこともあります。特にアジア・アフリカ・中南米などの途上国で感染リスクが高く、渡航する地域によっては短期の旅行でも予防接種をすすめられる場合もあります。

なお、A型肝炎のワクチンは2~4週間隔で2回接種が必要です。ただし日本でも60歳以上の方は抗体を持っている人が多いため、予防接種の必要性は低いとされています。

傷口から細菌感染する《破傷風》も海外旅行時、特に自然の中を徒歩で散策したりトレッキングするなど、ケガをするリスクの高い行程の場合には推奨される予防接種の1つです。

破傷風自体は世界中に存在する病気で、日本でももちろん感染リスクはあるのですが、途上国や森林地帯などの衛生状態が悪く医療の充実していない地域ではより危険度が増します。

ただし破傷風のワクチンは1968年以降であれば定期予防接種の中に含まれているので、免疫を持っている人がほとんどです。赤ちゃんの時に打つワクチンなので、20代後半以降になると免疫が切れている可能性が高いのですが、それでも追加接種を1回すれば免疫を取り戻すことができます。

もう1つ、海外渡航時にリスクの高まる病気があります。《狂犬病》です。狂犬病は犬やキツネ、コウモリなどの動物が媒介する病気で、かまれて発症すると致死率は100%です。

動物に接しなければ問題ないのですが、特にアジア・アフリカなどの途上国ではかなりの数の野犬が野放しにされています。長期滞在者や、交通の便が悪く医療機関が充実していない地域に行く場合には、万が一のことを考えて予防接種をしておくことをおすすめします。

ワクチンは4週間隔で2回接種後、さらに6カ月以上開けて追加接種が1回必要です。もし現地で狂犬病のリスクがある動物にかまれた場合は、予防接種をしている人でもさらに2~6回のワクチン接種をしなければなりません。

最近では海外旅行でも手軽に行くことができるので、思いつきでふらりと出発してしまうこともできるようになりました。

しかし、やはり日本と海外の国々では大きく違う部分もあります。特にバックパッカーや秘境目的など1か月以上の長期滞在のつもりで行くのであれば、予防接種も含めて相応の準備期間をとるのは大切なことなのです。